http://www.bunkei-note.work/

文系の夫

文系は作者の気持ちでも考えとくわ


文系は作者の気持ちでも考えとくわ

『騎士団長殺し』を読了しました

1 年以上前の発売日に購入した村上春樹の『騎士団長殺し』をやおら読了しました。面白かったけども、個人的には、村上作品の中での相対的な地位はそれほど高くないというのが率直な感想です。毎度そうですが、村上作品は「爽快」とか「泣いた!」とか端的な言葉で表現できないのでいつももどかしい。

個人的に最も好きなのは『海辺のカフカ』で、特にカフカ君が現実とはどこか違うまちから現実世界に帰って行くところが特に好きです。『騎士団長殺し』でも狭い穴を通り抜けて行く部分がありました。共通点や相違点について論じる気はないのですが、その狭い穴って結局なんだったんだろう、と考えています。

ふとしたきっかけで、常識がまったく通用しない環境に身を置くことは、実はよくあって、その二つの環境ではパラダイムがまるで違うのって実は当たり前のことなんじゃないかと思います。

この作品を読んですぐの解釈は画家の雨田が作った世界と現実の間を主人公は行き来したと思っていたのですが、人対人なら大なり小なりそのような行き来はあるんじゃないかと思って。

最近は実用書ばかり読んでいて、文学作品をなかなか読めないのですが、村上春樹さんが数年に一度書下ろし長編を出してくれると、必ず読むようにしています。前作を読んだときのことや、前作と今作のあいだにあったことを少し思い出せたりします。